□ 建築積算とは・・・
完成した設計図書に基づき、入札・契約時に、建築物を構成する各部分ごとに数量(重量、容積、面積、長さ、個数等)を各工事別に詳細に拾い出し、これに各工事単価当たりの価格(人件費等を含む)を掛けて工事科目別または、部分別のコストをつかみ、その結果を集積し、積算価格を計算して建築工事全体の工事費を算出することです。
わかり易く言うと
たとえば、私達が住宅を建てる時、設計士に設計図を描いてもらいます。
その設計図を基に、建設会社や工務店はその住宅に値段をつけます。
その時、「だいたいこれぐらいの価格だろう」とか、「市場の相場からいえばこれくらい」
などの”どんぶり勘定”では、最近のお施主さんは納得できないはずです。
その住宅の値付けの根拠(施工単価や材料の数量)が知りたいわけです。
建築物はそのほとんどすべてが、一品生産のオーダーメードです。
普段生活していく中でも、表面に見えるものから下地になって見えないものまであらゆる材料によって構成されています。
木造住宅を例にとると、住宅を支える基礎はコンクリートでできていてその中に鉄筋が引張り耐力を持つために埋め込まれています。
その上に、木材で土台や柱や梁や小屋組みといった骨組みが組まれ、外壁、内壁を作るための下地が組まれ場合によっては床や壁や天井の裏に断熱材などの住宅性能を向上させるための材料も取り付けられたりしています。
そこからやっと表面に見えてくる仕上材の登場です。
床で言えばタイルを貼ったり、フローリングにしたり、畳を敷いたり、壁ならば塗り壁の左官仕上げにしたりボードを張ったり、壁紙を貼ったりと色々です。
それらすべての材料の種類ごとに数量(重量、容積、面積、長さ、個数等)を
設計図から読み取り計算して上の木造住宅の例によると、
基礎のコンクリートは○m3、そこに入る鉄筋は○t(トン)
木材は材種、等級、寸法、長さごとの本数、もしくは体積○m3、木材をつなぎとめる釘や金物はkg、箇所
タイルなどは規格、種類ごとの面積u
左官の塗り壁も種類や工法ごとにそれぞれ区分して面積uで
下地のボードや断熱材、フローリングなどは面積uで、畳は一帖物、半帖物ごとに枚数で
というようにおおよそ実際に建物を建てる順番にそって工事の種類ごとにすべての材料を計算した数量を集計して内訳書(見積書)にまとめるのです。
その内訳書であらわされた数量にその地域、時期の材料費、工事をする人の手間賃
(一般に出版物などで公表されているものや、自治体や、企業ごとに設定されている単価)を掛け合わせて算出された金額が基本的なその建物の建築工事費になるのです。
そこまでの作業が建築積算業務の主な内容です。